ニュース

イベント

2026/10/26

台湾|循環再設計センター2.0「Circular Mall 循環百貨」レポート

台湾・環境部資源循環署が整備した「循環再設計センター」が、2026年9月、「2.0」へとアップデートしました。同センターは2025年6月5日の世界環境デーに、台湾で初めての循環型製品・デザインの発信拠点として開設。新しい循環ビジネスの育成や製品の展示・販売、アップサイクルなどに取り組んできました。

今回のアップデートでは、展示に加えて、企業との連携やマッチング、循環型の調達を後押しする機能を強化。企業訪問や産業交流、調達の相談を通じて、循環型の商品やサービスを市場で活用することを目指しています。その方向性を示す最初のテーマ展が、「Circular Mall 循環百貨」です。

私たちは10月3日、台北の當代文化実験場にある同センターを訪れました。

「何を買うか」から「どう利用するか」へ

会場では、家電・家具のレンタル、衣料品の再利用、循環型の物流包装、再生素材、製品の修理など、企業や循環サービス事業者による多様な取組が紹介されていました。展示は「ReUse」「ReMake/ReTurn」「Repair Service 以修代換」の3つのエリアで構成されています。

印象的だったのは、循環経済を「廃棄物を減らす取組」としてだけでなく、暮らしやビジネスに新しい選択肢をつくるものとして伝えていたことです。

たとえば、利用者が求めているのは、エアコンを所有することよりも「涼しい風を得ること」、また、傘を所有することよりも「雨をしのぐこと」かもしれません。

製品を販売・所有するだけでなく、レンタルやシェア、修理、メンテナンスを組み合わせれば、必要な機能をサービスとして提供・利用することができます。

循環の仕組みは、製品の素材や形を変えるだけでなく、利用の方法や事業のあり方にも広がっています。「Circular Mall 循環百貨」では、衣・食・住・移動・学び・余暇といった生活の場面から、その可能性を具体的に見ることができます。

展示のデザインと端的なメッセージが、仕組みの理解を深める

会場は白と木のカラーを基調に、黄緑色をサインや文字のアクセントとして使用。「CIRCULAR MALL」「LET’S FIX IT」などの短い言葉を大きく掲げ、ひと目で展示のテーマや行動の内容が分かるようになっています。

展示什器には、金属メッシュのフレームやキャスター付きの台、木製の有孔ボードなどを活用。商品やパネルを掛けたり、台に実物を載せたりできるため、展示内容に合わせて組み替えやすい構成となっていました。各事例のパネルには、サービスの説明や提供者、2次元バーコードなどが整理され、実物や素材サンプルとともに並べて紹介されていました。

共通のデザインルールを保ちながら、事業者ごとの取組を伝える。実物を見て、説明を読み、必要に応じて2次元バーコードから詳細を確認する。展示全体に、来場者の理解を段階的に促す工夫が施されていました。

展示の先にある「マッチング」と「導入」

「2.0」で特に注目したいのは、展示を見た後の企業や来場者の行動まで視野に入れている点でした。

循環型のサービスを知っても、導入に必要な費用や回収方法、協力先が分からなければ、実際の採用には結びつきにくいもの。センターでは、展示や企業訪問、産業交流を通じて、企業が自社に合う循環の仕組みや連携先を見つけ、調達や事業への導入を検討できる場を目指しています。

展示が、商品やサービスを「知る」場所から、事業者同士がつながり、導入を試す場へと広がっていく。センターが掲げる今後の方向性からは、循環型のサービスを市場に根づかせようとする意図が見えてきます。

沖縄への示唆

沖縄の観光施設やイベントで使われる容器・備品、修理して使い続ける家具・家電などを展示テーマの候補として考えた場合、品物や素材を誰が回収・修理し、どこで誰が再び使うのか。その流れをひと続きに紹介することで、循環を支える人や仕組み、次の使い道まで伝えることができます。

事例パネルには、「地域の課題」「循環の仕組み」「導入に必要な条件」「相談・次の行動」を共通項目として記載。さらに、費用や保管、回収方法、必要な協力者が見えると、企業や公共部門が導入を検討するための情報になります。

「循環再設計センター2.0」は、循環経済を知るための展示拠点から、企業や人がつながり、試し、導入するための場へと役割を広げています。「Circular Mall 循環百貨」は、その変化を具体的に伝えるテーマ展でした。

展示をきっかけに、沖縄の地域資源や事業者の取組をどうつなぎ、実際の導入につなげていくか。沖縄での同様の展示を考えるうえでも、多くのヒントが得られる内容となっていました。


【Circular Mall 循環百貨】
会期:2026年9月30日(水)〜11月15日(日)
開館時間:10:00〜18:00(月曜休館)
会場:循環再設計センター(空総国家文化基地内/台北市大安区建国南路一段177号)
料金:入場無料